日本には四季があり、四季折々の花や鳥などを着物に写して楽しむことがあります。また、行事にちなむ柄を用いて季節感を表現したり、歴史や故事にちなむ柄でその季節とのかかわりを示すこともできます。基本的に着用する柄は実際の季節よりも一か月から一カ月半ほど先取りして着ると粋だと言われています。

それぞれにお好みの柄はあると思いますが、その中でも5月柄と呼ばれる柄を紹介してみようと思います。5月ごろに着用する柄としておすすめなのは、牡丹、花水木、花と鳥、若竹、紫陽花、ぼかし模様、御所解模様ですが、その月にちなむ柄である花筏や季節の行事である端午の節句にちなんだ矢筈や鎧、葵祭にちなんだ葵文、御車、山車などの柄を行事当日に身に着けても粋にみえますね。若竹などはいかにもさわやかで緑が美しく、5月にぴったりの柄ではないでしょうか。

5月は一年中で一番萌え出た鮮やかな緑が美しい季節です。5日を過ぎると立夏となり、春から夏へ移り変わる季節でもあります。着物も袷から単衣に移って行きます。伊達襟もさわやかに見えるようなものに変え、新緑の若葉の色から涼やかな寒色へと色を変えて、5月柄の入ったさわやかな白い帯を締めても軽やかで素敵に見えます。

もちろん、近年季節感や今までのルールは関係なく楽しんで着物を着用されている方も多く素敵ですが、せっかく四季折々の美しさがある日本に住んでいるのですから、たまには季節の移り変わりを着物で楽しんでみるのもいかがでしょうか?

着物のイラストやキャラクターを描いていると、その柄の描き方について悩んでしまう方も少なくはありませんが、基本的に和をモチーフとしたイメージの柄であればそれらしく見えるため、必要以上に難しく考えることはありません。たとえば和風のお茶碗に描かれている模様を参考にしても構いませんし、何かしらの家紋をアレンジしてもよいでしょう。

このように意外に着物の柄の描き方のヒントになるデザインは身近にもあったりしますが、その中でももっともオーソドックスで描きやすいデザインと言えばやはり「お花」かもしれません。それこそ日本で古くから愛されているようなお花を等間隔に入れるだけであっても、十分に着物のイメージにぴったりなイラストが仕上がります。

もちろんこれらは「描きやすさ」を優先させただけの一例にすぎませんから、和を感じさせる材料が他に見つかるようであれば、自分自身でまったく新しいデザインを考案してみるとインパクトは非常に強くなるでしょう。どうしてもそのあたりは感性やセンスが求められることになりますので、「とりあえず無難なものに仕上げたい」という場合はやはりお花などのオーソドックスなデザインが最適ではないでしょうか。

しかしそのイラストやキャラクターを個性的に見せたいような場合は、多少手間と時間を費やしても独自のデザインで着物の柄を考えたほうが、結果的に得られるメリットは大きいです。目的に応じて描き方を変えてみましょう。

皆さんはさまざまある着物の柄についてどれだけご存知でしょうか?柄というと着物全体のデザインのことを指すと思いがちですが、本来、着物の柄とは単一のモチーフのことで、全体のデザインのことは文様といいます。つまり文様を構成する一つ一つのモチーフのことを指しています。

そんな中からいくつかを紹介してみたいと思います。皆さんがよく目にされるのは吉祥文様と呼ばれる鶴や亀、松竹梅や牡丹など縁起が良く不老長寿を願うモチーフや有職文様と呼ばれる立涌、花菱など公家装束などにも用いられていた伝統的な文様は振袖にもよくつかわれているため、思い浮かべることができるのではないでしょうか。これらはおめでたいモチーフですので年間を問わず身に着けているのを目にすることがあります。

そのような年間を問わずに身に着けられるモチーフの他にも、季節それぞれの柄があり、春ならば桜や椿、梅に牡丹など華やかなモチーフ。夏から秋にかけてはらば藤に紫陽花、もみじ、トンボ、菖蒲などさわやかで涼やかなモチーフ。秋なら撫子や萩、桔梗にすすきと、どこか物寂しくしとやかなモチーフ、冬なら菊や南天、松など凛としておめでたいモチーフなど季節によって移り変わりがあり風流なものです。

他にも華文、辻が花、うさぎや蝶、短冊に鼓など数多くのモチーフがあり、知れば知るほど着物を選んだり、身に着けるのが楽しくなると思います。

ここで紹介したものだけでなく、着物の柄は無数に種類が存在します。これで興味を持っていただけたらぜひ調べてみてください。